2022年度第1回白山人類学研究会(オンライン開催)

先住者コミュニティへの愛着から構想する比較都市村落論──ジャカルタと京都の郊外を事例に



中村昇平(東洋大学・助教)

□日時:2022年4月18日(月)18:15〜 (オンライン開催)

 今回もWebexミーティングを利用してオンラインで開催します。
 参加ご希望の方は以下のフォームからご登録ください。
 アクセス用のリンクについては、例会前日までにご連絡差し上げます。
 https://forms.gle/FgW5NZsZ96F8RNreA
 開始の5〜10分前にログインしてください。


□要旨

 要旨:本発表では、先住性を手がかりとして、ジャカルタと京都郊外の事例から日本・インドネシア比較村落論に新たな視点を提示することを目指す。インドネシア諸地域の地縁コミュニティを日本の村落との比較から論じる研究では、行政村(desa administratif)と慣習村(desa adat)のズレがインドネシア諸社会の特徴とみなされる傾向にあった。こうした比較の視点は、行政制度上の村落と自然村との重なりが日本の村落の特徴であることを前提とし、また、そうした観念を強化するものとして機能してきた。逆に、ジャカルタの住民コミュニティを日本との比較から論じる研究の中では、慣習村や自然村に準ずる自生的地縁コミュニティの不在が前提とされ、専ら行政制度上の住民組織(行政村/RW/RT)が考察の単位とされてきた。  本発表では、ジャカルタ郊外の集落「カンプン・ウタン」と京都郊外の村落「樫原」をとりあげる。カンプン・ウタンは慣習村とは呼べないが、先住者のみによって構成される地縁コミュニティとみなされており、その地理的範囲は行政村(kelurahan Krukut)の範囲とズレている。樫原では行政村(樫原学区)の範囲と自然村(旧名「岡村」)の範囲は概ね重なっているが、先住者の地縁コミュニティと新住民も含めた住民コミュニティを別物とみなす観念が存在する。本発表では、両地域で先住者が運営する住民組織や社会活動を概観することで行政村とのズレを示した上で、それぞれ「身体技法」と「居住環境」に着目することで、住民の身体感覚にまで踏み込んで先住者コミュニティへの愛着を考察する可能性を論じる。この考察を通じて、ジャカルタの住民コミュニティを自生的集落に着目して考察する意義と、日本の住民コミュニティを行政村と自然村のズレに着目して考察する意義を示すことが本発表の目的である。

白山人類学研究会世話人
代表:長津一史
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