2006年度第4回研究会
文化は誰のものか
――中国湖南省における「女書」の伝承をめぐって

丁 育華 さん(徳島大学大学院 先端技術科学教育部博士課程)

□ 日時 2006年10月16日(月) 18:10〜19:40
□ 場所 東洋大学白山校舎 5304教室

□ 要旨 中国湖南省の西南部、広西壮族自治区に近い江永県の一部に、女性だけが読み書きできる文字「女書」が伝承されてきた。この文字はこの地の女性たちが創り出し、女性同士のコミュニケーションの手段として使われてきたものである。現在、生活文化としての女書は廃絶したが、研究者の指摘によりその文化的価値が再認識されるようになり、地方政府の地域開発計画などともあいまって、地域における女書の新しい形での「伝承」が復活しようとしている。
 本研究は、現代の「開発」という文脈の中、女書が開発に関わるさまざまな関与主体の相互作用の中で変容していく過程を解明しようとしている。さらに、伝承の主体である地域住民が開発計画の「かやの外」に置かれている文化開発現象を通し、「文化は誰のものか」について考察する。

白山人類学研究会世話人
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