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2007年度第5回研究会 |
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熊野文化のダイナミクス
――熊野学と文化にまつわる複数の言説をめぐって
山本 恭正 さん(岡山大学大学院社会文化科学研究科)
□ 日時 2008年1月28日(月) 18:10〜19:40
□ 場所 東洋大学白山校舎 5101教室
□ 要旨
今日、文化の概念は政治的意味に彩られ、それをめぐってさまざまな現象を生み出してきた。日本では本来、民俗学が扱う領域とされ、地元でさえ記憶の片隅に追いやられきた風習や伝統行事が、意識的に「文化」とされ広く流通するような「言説」が多くみられる。平成16年7月、紀伊山地の霊場と参詣道、通称・熊野古道がユネスコの世界遺産に登録されたことで、国内外を問わず熊野の文化遺産や景観が一躍脚光を浴びることとなる。
本発表では、日本の地域社会における文化の構築の問題に注目し、今まで熊野地方において「文化」と呼ばれていたものが具体的に何であったか。またそうでないものが、ある時期からそう呼ばれるようになったのはなぜか。そこにどのようなプロセスが存在し、背後にどのような力関係が作用しているのか。ちょうど世界遺産の登録と時期を同じくして、成立した「熊野学」と呼ばれる地域学での言説や、それに関連した研究会の活動などから、「文化」の表出のされ方について考えてみたい。
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