2009年度第6回研究会
民俗芸能の伝承と地域社会
――三重県鈴鹿市内の獅子舞伝承を事例として

平山眞さん(鶴舞看護専門学校)

□ 日時 2009年12月21日(月) 18:30〜20:00
□ 場所 東洋大学白山校舎 5401教室

□ 要旨
  今回の報告においては、三重県鈴鹿市肥田(ひだ)町における獅子舞伝承を主な事例として取り上げ、その概略を示しつつ、20世紀後半からの大きな社会変動の中でのその変遷を辿り、地域社会と文化伝承の関係について考察を加える。
 鈴鹿市肥田町においては、同町に鎮座する宇気比(うきひ)神社の春秋例祭において、獅子舞が奉納される。これには現在、小学生から約50歳までの男性20数名からなる獅子舞保存会のメンバがあたっているのだが、その伝承は20世紀後半における産業構造の変化や人口流動といった社会変動の波を大きく被り、一時は途絶、その後復活はしたもののその存続を巡って議論が闘わされるなど、幾多の変遷を経てきている。ここでは、社会変動の中で幾度か廃絶の危機をくぐり抜けてきた獅子舞伝承が、何故に可能であったのかについて、そしてまたそこから何を読み取るべきなのかについて考えてみたい。
 ところで、報告者は、2007年3月から2008年9月までの約1年半の間同地に居住し、この地の住民の日々の営みを目の当たりにしてきた。また獅子舞保存会にも加入させていただき、獅子舞伝承の場である例祭前の2週間前後の練習に加わり、2008年の春秋例祭でも獅子舞を舞うという機会を得ることが出来た。今回提示されるデータは主として、こうした実体験や、保存会メンバからの聴き取りに基づいたものである。

白山人類学研究会世話人
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