2009年度第7回研究会
マン島におけるスポーツ文化の生成過程と社会的機能
――スポーツボランティアの活動に着目して

小林ゆきさん(東洋大学大学院博士後期課程3年)

□ 日時 2010年1月18日(月) 18:10〜20:00
□ 場所 東洋大学白山校舎 5401教室

□ 要旨
  本研究は、1907年から続いているオートバイのモータースポーツ、マン島ツーリストトロフィーレース(以下、TT)の文化人類学的研究の一環として、スポーツボランティアの活動に着目し、スポーツ文化の生成過程と社会的機能について考察することを目的とする。
 TTのコースは公道を利用するという性格上、選手と観客双方に対する安全管理や緊急時の救護のため、「マーシャル」と呼ばれる多数のスポーツボランティアを配置する必要がある。現在では2週間に渡るレース期間中、一周60kmのコースに約1600名から2000名を擁する。
 フィールドワークと文献研究により歴史的変容と空間的側面から考察した結果、TTにおけるマーシャル活動は@レース時の運営に関わるだけでなく、スポーツ文化の発展に寄与している。A他者受容の文化が促進され世代交代が起こることで、組織の新陳代謝とレベルの向上が促され、持続可能な文化発生装置としての一端を担っている。Bモータースポーツの空間を演出すると同時に、スポーツ文化の媒介となっている。以上が明らかとなった。

白山人類学研究会世話人
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