2011年度第4回研究会
アフリカにおいて先住民になること
ボツワナと南アフリカに暮らすサンの事例より

丸山淳子 さん(津田塾大学学芸学部国際関係学科専任講師)

□ 日時 2011年10月17日(月) 19:00〜21:00
□ 場所 東洋大学白山校舎 5304教室

□ 要旨
  21世紀に入って「先住民」に対する国際的関心がかつてなく高まっている。「先住民には独自の文化や生活様式を維持する権利がある」という考え方が世界的に支持を得るようになり、その適用範囲も急速に拡大しつつある。これまで「先住民」の存在や問題が議論の俎上にあがることがなかったアフリカでも、各地の少数集団が「先住民」として国際社会からの強い政治・経済的サポートを受け、それまでにないやり方で問題解決に取り組み始めている。と同時に、植民者との境界が明確なイギリス系植民国家で育まれてきた「先住民」という概念が、民族間関係の歴史や国家成立の経緯の異なるアフリカに急速に「輸入」されたことは、地域社会に複雑な問題を生じさせてもいる。
 本発表では、南部アフリカのサン(ブッシュマン)の「先住民運動のホット・スポット」として知られる2つの地域を事例として、このような「先住民」に関わる支援や運動が、地域や社会に与えている多層的なインパクトをミクロなレベルで解明する。そして両地域のサンが経験してきた歴史や国家政策、NGOとのかかわりなどに着目しながら、土地や資源へのアクセス、あるいは言語や文化の維持に関する活動や運動が、彼らの直面する問題の解決にいかに寄与し、あるいは齟齬や矛盾を生んでいるのか、また既存の国際社会や国家、民族、集団間の関係にいかなる変化をもたらしているのかを、比較検討したい。



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