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2012年度第4回研究会 |
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存在をつなぐ縦糸と横糸 マレーシア華人社会の〈家族〉をめぐる論理
櫻田 涼子さん(京都大学GCOE研究員)
□日時 7月23日(月)18時10分〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 5403教室
□要旨
マレーシア華人社会は、他地域の漢族社会同様に父系社会とみなされてきた。父系出自を一つの基準とし関係性を切り、そしてその外にいる他者を取り込むことによって人びとを次代へつなぐという関係性の取り結び方は、確かにマレーシア華人社会における重要な諸局面で繰り返し立ち現れるフォーマルな理念であるといえるだろう。しかしマレーシアの日常生活をつぶさにみていくと、そこには父系出自イデオロギーだけでは説明できない実際、例えば非父系の家族も積極的に書き記す葬儀告知の興隆や、婚出した娘と実母、あるいは姉妹の協力により維持される子どもの養育実践などが確認される。それでは、一体この理念からはみ出す諸関係はどのように切り捨てられ、理念と現実の矛盾はいかに理解されるのだろうか。本報告では、家族の関係が表出する諸局面を検討材料として示しながら、ある関係が捨象される一方である関係が重視される〈家族〉をめぐるロジックについて考察を試みたい。
※終了後、白山近隣で懇親会を予定しております。
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