2012年度第5回研究会
<対話性>の人類学に向けて――インド周縁部における神格の複数性/選択性から

小西公大さん(人間文化研究機構現代インド地域研究推進事業東京外国語大学拠点研究員)

□日時 12月17日(月)18時10分〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 5403教室
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       ※最寄り駅までは右URLを参照(http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html)
       ※構内は右URLを参照(http://www.toyo.ac.jp/campus/hakusan_j.html)
       
□要旨
 パキスタン国境に接する、インド西端タール沙漠エリアには、無数の女神たちが存在する。女性たちの胸元にはこれら女神たちを彫りつけた銀製のペンダントが集合し、儀礼や祭礼時には、数多くの神々へ即興的な祈りが捧げられる。従来、民俗神(folk deities)として一括して処理されてきたこれらの多様な神格たちが、いかに/なぜ、祈りの対象として選択されるのか。本発表では、沙漠にみられるこの神格の複数性と選択性を分析対象とし、同地において支配的な存在である「王権」のイデオロギーの中心性と、具体的な生活空間を取り巻く世界の拡散性のはざまに生きる人びとの関係実践のあり方を解きほぐしていく。そこでは、「移動」と「行き交い」を特徴とするタール沙漠の周辺社会において、世界と対話(世界の隠喩的把握=修辞学)を繰り返しながら、他者との関係を円滑なものへと変換していく人びとの能動的営為をみいだすことができる。本発表ではこうした人びとの営為を、世界との<対話性>として定位し、社会唯名論/実在論的な理解で取りこぼされてしまう、人びとの関係実践の能動的側面をモデル化することを目指す。

※終了後、白山近隣で懇親会を予定しております。



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