2015年度第2回白山人類学研究会
民俗学からフォークロア研究へ ―「人びとのヴァナキュラーな創造性」をめぐる問題を中心に―

島村 恭則さん(関西学院大学)

□日時 6月15日(月)18時10分〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 8305教室
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html        
□要旨
 わたしはこれまで、日本列島/南西諸島/朝鮮半島をフィールドに、宮古島の村落祭祀における民間巫者の問題、沖縄における新宗教の生成、韓国の現代伝説、喫茶店モーニング文化、アジールとしての別府と伊東、地方花柳界の盛衰と文化資源化、家船とかき船、在日朝鮮系住民の「生きる方法」、引揚者が生み出した戦後の社会空間と文化、などについて研究してきた。これらは、一見、そのときどきの興味に従った、脈絡がバラバラな研究の群れのように見えるかもしれないが、そうではない。これらの研究には、「人びとのヴァナキュラーな創造性」の追究という一貫した問題意識が存在している。  ここでヴァナキュラーとは、「オーソリティとは異質の、もしくはオーソリティによるコントロールが困難な(場合によっては不可能な)創造性」をさす。日本でも、イリイチのシャドウ・ワーク論や、建築学における「ヴァナキュラー建築」を通して「ヴァナキュラー」は知られているが、現在、北米のフォークロア研究や文芸批評においては、さらに広い文脈で、社会・文化のあり方を批判的に捉え、再構想してゆく際の鍵概念としてヴァナキュラーがさかんに用いられるところとなっている。  本報告では、わたし自身のこれまでの調査データを吟味しながら、「人びとのヴァナキュラーな創造性」について検討するとともに、近年、取り組んでいる民俗学の再文脈化=フォークロア研究の構想、について説き及ぶ予定である。


※終了後、白山近隣で懇親会を予定しております。



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