2015年度第3回白山人類学研究会
月経の経験を形づくる知とモノと ― 開発支援されるウガンダと、衛生大国日本の事例から考える―

杉田 映理さん(東洋大学)

出野 結香さん(王子製紙)

□日時 7月13日(月)18時15分〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 8305教室
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html        
□要旨
 女性だけが経験する月経は、身体的な生理現象であると同時に、地域や時代よって様々な様相を示す文化的な側面を強く持つ。月経にまつわる慣習や禁忌、隠語はどの社会にも見られ、多くの社会において月経は「隠された」領域となっている。 一方、月経への対処が近年、国際的な開発アジェンダとして急浮上し公の場で語られるようになってきた。「適切な」月経の対処のためにUNICEFや国際NGOは、生理用ナプキンの配布、再利用できる布ナプキンの普及、学校トイレの改善などの活動を開始している。支援の対象は、主に学校に通う女子生徒である。しかし、文化的な側面が強く影響する月経への対処は、それぞれの慣習や禁忌、当事者の声を踏まえることが必要なのではないだろうか。 そうした問題意識から、本報告ではウガンダの農村部において、女性がどのように月経を迎え、対処し、どのようなことを怖れているのかを、具体的に見ていきたい。そして、これを一般的に開発支援で提案されることと照らし合わせながら、議論したい(杉田報告)。 また、開発支援の対象となる途上国だけではなく、衛生大国と言われる日本においても女性は月経の問題から解放されているわけではない。月経をどのように捉え経験するかは、情報や月経対処の製品、年代の影響を受けるところが大きい。日本の女性への意識調査の結果も併せて報告したい(出野報告)。


※終了後、白山近隣で懇親会を予定しております。



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