2015年度第4回白山人類学研究会
ナショナル・ヒストリーを問い直す――メキシコ南部地域からのまなざし

山越 英嗣さん(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)

□日時 12月14日(月)18時15分〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 8305教室
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html        
□要旨
  1980年代以降、メキシコ政府が推進してきた新自由主義的政策に対する不満は、とくに先住民人口の多い南部地域で高まりをみせている。とりわけ、村落出身の若者たちのあいだには、外資系企業と政府が結託して行う開発事業が彼らの生活を脅かし、貧困や格差の拡大を生みだしているという言説が広まっている。本発表は、2006年にオアハカ市で生じた州政府に対する民衆の抗議運動の際、ストリートアートを用いて現政権の不正を糾弾し、民衆を心的に統合しようと試みた若者アーティスト集団、ASARO(Asamblea de Artistas Revolucionarios de Oaxaca、オアハカ革命芸術家集会)の活動を対象とする。彼らは、民衆の統合シンボルとしてメキシコ革命の英雄たちを用いたことで知られる。先行研究において、これはナショナリズムの高まりを示すものとして理解されている。しかしながら、発表者は、運動参加者たちがここに、ナショナル・ヒストリーで意味づけされてきたものとは異なる文脈の意味を与えたことに注目する。



※終了後、白山近隣で懇親会を予定しております。



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