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2016年度第4回白山人類学研究会 |
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ベトナム―カンボジア国境をめぐるローカルな政治 ―冷戦終結後メコンデルタの人々の越境移動―
下條 尚志さん(京都大学東南アジア研究所 機関研究員)
□日時 2016年10月24日(月)18時15分〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 8305教室
(地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html
□要旨
1970年代後半にベトナムがカンボジアに侵攻してからの10年間、この2つの国家が国際社会からの孤立と戦争、社会主義政策に起因する混乱を経験し、数多くの国外脱出者を生み出したことは周知のとおりである。一方で、この侵攻を機に、多数の人々がベトナム南部メコンデルタからカンボジアへ非合法的な手段で越境し始めたことはあまり知られていない。非合法越境者の数は、とりわけ冷戦終結後の1990年代前半、メコンデルタ農村の貧困とUNTAC下プノンペンの活況を背景に急増した。これら越境者のなかには、1990年代後半以降にベトナムが国際社会への復帰と経済成長を着実に進めてゆくなかで、度々ベトナム側に帰郷する者が現れ始めている。この傾向を受け、ベトナム政府は近年ようやく越境者の移動 制限や国籍特定など、国境統治に本腰を入れつつある。しかしながら、越境者の管理強化によって、これまで政治経済的混乱のなかで棚上げにされてきたメコンデルタの民族や宗教に関する諸問題が、再び顕在化している。本発表では、人々の越境移動という観点から、冷戦終結以降のメコンデルタにおける地域社会と国家の関係が、いかに変遷してきたのかについて考察する。
※終了後、白山近隣で懇親会を予定しております。
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白山人類学研究会世話人
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運営委員: 植野 弘子 長津 一史 山本 須美子
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