2017年度第5回白山人類学研究会
カンボジア北東部のラオ村落における対人関係をめぐるやりすごし 

山崎寿美子さん(愛国学園大学准教授)

□日時 2017年12月18日(月)18:15〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 8305教室
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html        
□要旨
 本発表では、カンボジア北東部ストゥントラエン州のラオ村落における対人関係に着目し、日常的に起こるもめごとに、人びとがどのように対応するのかについて、事例をあげて検討する。東南アジアの社会論で従来から盛んに議論がなされてきたように、調査地においても、対人関係は基本的に、親密な二者関係の網目で成り立っている。そうした親密な間柄は、家を訪問しあったり食物や労働を交換するといった、直接的なやりとりによって築かれる。しかし、親密な間柄であっても、日常においては、些細なものも含めてしばしばもめごとが起こる。その際、人びとは暴力や口論など、相手と対面する方法を極力回避し、交換を停止して、問題の核心に触れないようにして過ごす。親密な間柄が直接的な行為によって築かれるのとは対照的に、もめごとにあたっては、人びとはひたすら間接的になる傾向がみられる。本発表では、こうした状況で人びとが言及する、「だんまり」で「ただただいるだけ」という、いわばやりすごしの姿勢に光をあて、それがラオの対人関係においてどのような意味をもっているのかについて考えたい。



※終了後、白山近隣で懇親会を予定しております。



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