2018年度第1回白山人類学研究会
ノマドがツーリストと巡りあうときーフランス市民社会の只中に現れるジプシーの「旅の共同体」について  

左地亮子さん(東洋大学准教授)

□日時 2018年4月23日(月)18:15〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 8305教室
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html        
□要旨
 フランスのジプシーは、移動という生活様式に基づき定住民社会の隙間に散在して暮らしてきた。かれらは専有する領土も強固な社会組織ももたず、 西欧社会の内を動き回ることで生き抜いてきたノマドである。しかし現在、進行する定住化とそれに伴う統治政策の下で、一つの名と特定の場をもつ「共同体」として集約、固定化、周縁化されつつある。本発表では、この人々を一元化し隔離する諸力との交渉の中で、ジプシーが新たに編みだす「旅の共同体」に着目する。定住する地域と押し付けられた共同体を離れ、束の間の旅をするジプシーが、実践やアイデンティティの同一性により境界画定された別様の対抗空間をたちあげるのではなく、異質な他者との偶発的な出会いと共在を享受しながら非同一的な共同体を生きる局面を探る。ゲットー化された定住地を離れ、ツーリストのごとく旅するノマドの経験を通して、現代社会における市民的共同性について新たな角度から考えてみたい。







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