2018年度第3回白山人類学研究会
中国雲南省の農村における人口移動の動向――仕事をめぐる若者の選択を中心に

阿部朋恒さん(首都大学東京大学院博士後期課程)

□日時 2018年6月18日(月)18:15〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 8305教室
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html        
□要旨
 1980年代以降の急速な経済的構造転換に伴い、中国では農村から都市へ、あるいは西部から東部へと向かう大規模な労働移動の流れが継続してきた。地理的にも政治経済的にも“周縁”に位置する雲南省の少数民族居住地域においても、おおむね21世紀に入る頃には若年層の出稼ぎが一般化しており、若者の姿を欠く農村風景が常態となって久しい。しかし、地方都市近郊の一部の村落ではさらに新たな動向として、出身村に戻る/留まることを選択する若者の姿がみられるようになっている。彼らの多くは土地を継いで農業に従事するのではなく、むしろSNSを介して村の景観をアピールして観光化を図り、個人間電子商取引サービスを利用して親戚がつくる農産物を全国に向けて販売するなど、都市と村落を結ぶ媒介役を担うことで生計を立てていた。本発表では、同地域のハニ族、ラフ族、ワ族、タイ族、そして漢族の村落で実施した広域調査をもとに、中国周縁の「村落」が新たな価値を担う空間として主流社会へと包摂されつつあるという視点を提示したい。







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