第11回白山人類学研究フォーラム
インドネシア外島部における森・土地をめぐる現場のポリティックス
――企業、先住民、移住者の動きから――

□日時 2018年11月17日(土)13:00〜17:30
□場所 東洋大学白山キャンパス 10号館a301教室
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html        
□趣旨
 インドネシア外島部のスマトラ島とカリマンタンでは、企業によるアブラヤシ農園開発、産業造林開発、石炭開発が進められている。これらの開発は、インドネシアの経済発展に貢献し、世界に重要な国際商品(パーム油、紙パルプ、石炭)を供給する一方で、熱帯林の減少による地球温暖化の促進や生物多様性の減少、森林地域に住む先住民の権利の侵害などの問題を引き起こしてきた。その実態がNGOなどによって世界に告発され、今や企業は環境・社会に配慮した生産を世界にアピールする必要に迫られている。また、インドネシア政府も開発と森林保護の適切な実施に向けた法律・規則を整備し始めている。民主化・地方分権化が進むことで、先住民の権利に関する法整備も進められ、国有林地域では企業による開発を重視した政策から地域住民が参画する社会林業プログラムに重点が移されるようになっている。  以上のようなグローバル言説(熱帯林・先住民の人権の保護、持続可能な生産と消費)やインドネシア国家法・国家政策の動きの中で、現場のアクターである企業、先住民、移住者はどのように交渉し、森・土地を獲得・保持しているのだろうか。また、どのような問題が現場で生じているのだろうか。本研究フォーラムは、インドネシア外島部における企業、先住民、移住者の森・土地をめぐるポリティックスの様相を明らかにしていく。

□プログラム:
13:00〜13:10 趣旨説明 寺内大左(東洋大学・助教)

13:10〜13:55 
「ジャンビ州の森の民オラン・リンバの先住民権について――巨大アブラヤシ企業への抵抗と適応戦略」
 報告者:中島成久(法政大学・教授)
 コメンテーター:水野広祐(京都大学・教授)

13:55〜14:40 
「ランドグラッビングを進める企業の社会的責任に関する試論――インドネシア南スマトラ州の植林事業地における農民の『不法占拠者化』に着目して」 
 報告者:笹岡正俊(北海道大学・准教授)
 コメンテーター:安部竜一郎(日本インドネシアNGOネットワーク運営委員)

14:50〜15:35 
「移住者によるアブラヤシ栽培への参入と経営面積の拡大プロセス ――リアウ州北部の旧バガン・シネンバ郡を事例として」 
 報告者:小泉佑介(上智大学アジア文化研究所・共同研究所員)
 コメンテーター:永田淳嗣(東京大学・准教授)

15:35〜16:20 
「カリマンタンのコモンズ(慣習林)の2つの軌跡 ――木材伐採開発と石炭開発に対する焼畑民の対応から」
 報告者:寺内大左(東洋大学・助教)
 コメンテーター:宮内泰介(北海道大学・教授)  

16:30〜17:30 総合討論








白山人類学研究会世話人
代表:松本 誠一
運営委員: 山本 須美子 長津 一史 箕曲在弘 左地亮子 寺内大左
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