2019年度第6回白山人類学研究会
モノとの関わり方をめぐるポテンシャリティ

ゴロウィナ・クセーニヤさん(東京大学特任准教授)
土井清美さん(中央学院大学講師)

□日時 2020年1月20日(月)18:15〜
□場所 東洋大学白山キャンパス 8305教室(8号館3階)
       (地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)
       http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html        
□要旨
 本発表の目的は、人とモノとの関係のもち方における(潜勢性も含む)多彩な様式モードを解きほぐすことである。
 マテリアリティに関する研究では、モノ側からの働きかけや、人とモノの相互作用に光をあて、そのダイナミックかつ濃密な関係を詳らかにする観点が注目されて久しい。発表者らはこうした方向性に部分的に沿いつつも、モノの有形性やマテリアリティを自明のものとせず、むしろ何らかの手続きを経るなかででふいに現れたり、人の手に負えないようなポテンシャルを擁したりするものとして考察の対象とする。
 ゴロウィナ・クセーニヤは、在日ロシア人コミュニティによるロシア系移民が眠る古い墓地の保存活動に焦点を当て、墓地を歩き、墓を清掃する際のモノとの関わりによって可能となる死の可視化ないし死というものの具体像が表出するプロセスをたどる。その議論をもとに、彼らの移住生活に伴う実存的な複雑さへの対処についても模索する。
 土井清美は、スペインにあるサンティアゴ・デ・コンポステラへの徒歩巡礼を事例に、日常生活では等閑視されがちな、モノとの関わりのなかで生起するマテリアリティについて考察する。またその議論をふまえたうえで、ハイデガーの「手許性」をもとにした「届かなさアウトオブリーチ」の概念を用いて、モノとの潜勢的な関わり方について考察する。








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