2020年度第1回白山人類学研究会(オンライン開催)
憑依の表れ/現れにおける複層性について――モロッコでの語りと儀礼実践を事例として

山口匠さん(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程)

□日時 2020年6月29日(月)18:15〜
 今回は、webexmeetingsを利用してオンラインで開催します。
 参加ご希望の方は以下のフォームからご登録ください。
 例会前日に参加のためのwebexmeetingsのリンクをお送りします。
 https://forms.gle/mKRe1GrcQbFuA6dQ7
 研究会開始の5〜10分前にログインしてください。

□要旨
 本発表は、現代モロッコにおける憑依に関連する諸事象を事例に、人々の語りから憑依の現象をめぐる両義性や曖昧性を詳かにすること、そして、儀礼の場において現出する多的状況を身体性の観点から検討することを目的とする。
 イスラーム圏ではジンと呼ばれる妖霊の存在が広く知られており、アラブの国々の中でもモロッコはジンにまつわる様々な実践が特に盛んであるとされている。とりわけ、明らかな西アフリカの聖霊信仰からの影響が認められる憑依儀礼は、保護領期の昔から多くの外国人研究者の注目を集めてきた。国内では、楽器の演奏と激しいトランスを伴うこの種の儀礼は様々な理由から批判を受けがちだが、その一方で近年は芸能化が進み、モロッコの文化的伝統のひとつとして再評価されるようになってもいる。本発表ではまず、人々の語りからジンに関する信念や実践にも微妙なニュアンスやグラデーションがあることを確認する。そして、今日的な儀礼のあり方を、聖俗二元論などのような宗教(学)的概念にはよらず、鳴らされる音に対して異なる身体が共在する状況として分析することを目指す。








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