2021年度第3回白山人類学研究会(オンライン開催)
過疎地域における内・外部燃料の調達にみる燃料複合利用論 ――青森県下北半島の漁村における薪燃料の再活用


田所聖志(東洋大学・教授)

□日時 2021年7月19日(月)18:15〜
 今回も、zoomミーティングを利用してオンラインで開催します。
 参加ご希望の方は以下のフォームからご登録ください。
 例会前日に参加のためのzoomミーティングのリンクをお送りします。
 https://forms.gle/G6vzBPm1rhEo3Z2S9
 研究会開始の5〜10分前にログインしてください。


□要旨

 近年、自然環境の保全と鉱物エネルギー資源の生産や消費をテーマとする文化人類学的研究が国内外で増えています。このテーマの研究自体は、1980年前後のJune NashやMichael Taussigの南米鉱山労働者の研究をはじめ、以前から行われてきました。では、現代ではどのようなかたちで、このテーマを文化人類学の視点から研究できるでしょうか。今回の発表では、現代の日本の漁村における燃料調達を事例として、鉱物エネルギー資源の生産や消費を文化人類学の視点から研究する可能性について考えます。  今回の発表では、まず、地域社会の内部で生産・消費される燃料を「内部燃料」、地域社会の外部から持ち込まれる燃料を「外部燃料」と理念的に区別します。世界各地の前者の例として、薪、木炭、乾燥藁、作物のゴミ、家畜の糞などあります。後者の例は、石炭、石油、天然ガスなどです。このように整理した内部燃料、外部燃料という概念を用いて、青森県下北半島の漁村における燃料調達の事例を分析します。発表では、青森県下北半島の漁村において、1970年代以後にガソリンや灯油という外部燃料が漁業用でも家庭用でも使われるようになった一方、近年は家庭用に薪という内部燃料が再び使われるようになった事例を紹介し、外部燃料と内部燃料の複合利用状況を明らかにします。  なお、今回の発表は、下記の論文の内容を基にしています。 川上勇介・田所聖志 2021 「過疎地域における内・外部燃料の調達にみる燃料複合利用論――青森県下北半島の漁村における薪燃料の再活用」『東北アジア研究』25: 71-96。



白山人類学研究会世話人
代表:長津一史
運営委員: 左地亮子 ゴロウィナ・クセーニヤ 山田香織 
波佐間逸博 田所聖志
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