2022年度第6回白山人類学研究会(オンライン開催)

グローバル化時代における在日コリアンの宗教的実践――「在日コリアン寺院」を中心として――


宮下 良子(東洋大学アジア文化研究所客員研究員/ 大阪公立大学都市科学・防災研究センター特別研究員 )


□日時:2022年12月19日(月)18:15〜 (オンライン開催)
 
 参加ご希望の方は下記のフォームからご登録ください。
 アクセス用のリンクについては、フォーラムの前日までにご連絡差し上げます。
 https://forms.gle/MC3qyxv8F7sCGWWM9
 開始の5〜10分前にログインしてください。


□要旨
 
   従来,在日コリアン社会において,古代朝鮮シャーマニズと仏教が習合した特異な宗教的観念・儀礼が展開されるようになっており, その独自な実践の場を指示する呼称として「朝鮮寺」が用いられてきた。その「朝鮮寺」が初めて大阪に設立されたのは,1932年である。これらの「朝鮮寺」は, スニム(僧侶) やポサル(菩薩=女性のシャーマン), そして, それを支えた在日一世の女性信者たちによって形成されてきた。しかし, 発表者は, 近年における関西の大都市圏近郊の生駒山地の「山の寺」と大阪市内の「街の寺」の間に見られるネットワーク化について指摘し, 「朝鮮寺」を「在日コリアン寺院」と改称した。この「在日コリアン寺院」の宗教者たちの多くは世代交代をし, ほとんどがニューカマーであり, かつての「朝鮮寺」とは異なる新たな宗教活動をも展開している。また, 日韓を往復するライフスタイルを体現していることから, 彼らを取り巻く状況はグローバル,あるいはトランスナショナルな動向の中にあるといえる。本発表では, 戦前の在日コリアン一世によって形成されてきた「朝鮮寺」から, 現在の「在日コリアン寺院」への移行過程で, 在日コリアンとその周辺ではどのような宗教的実践が展開されてきたのか, あるいは展開されているのか, ということを明らかにする。そして,彼ら/彼女らの日常生活に根差した宗教的実践の変容が,今日の日本社会における多文化状況の中でいかなる意味を持つのかについても言及したい。


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