愛着の音楽人類学―いまここから溢れ出ることととしての音楽への/からのアプローチ
□日時:2023年11月25日(土)13:30〜 (オンライン・ハイフレックス方式)
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□会場 東洋大学白山キャンパス6号館2階6213教室/Webex ミーティング
□要旨
アントワーヌ・エニヨンが先鞭をつけ、ティア・デノーラやジョージナ・ボーンらによって推進されてきた関係的アプローチによる音楽社会学・音楽人類学は、
音楽を作品概念から解き放ったミュージッキング研究の行為中心的アプローチやニューミュージコロジーの構築主義的視座を引き継ぎつつ、音楽と社会との複雑で多面的な関係に焦点をあて、
両者の関係性を紡ぎ出す人々自身の営みー媒介ーへの着目を促してきた。
また、STSやANTとの対話をも踏まえ、人や物、技術や制度などからなるアッサンブラージュとしての音楽像を提起してきた。
本シンポジウムでは、エニヨンの音楽社会論における媒介に並ぶ重要概念である愛着をめぐる議論をひとつの足がかりとしつつ、「音楽への/との愛着」という、
ある意味ささやかでありふれた事柄に関する四つの民族誌的事例ー現代音楽の作曲家、離島の民謡復興に携わる歌手、音楽葬に従事するセレモニー演奏家、ボリビアの民俗音楽に一家言持つ女主人ーが報告される。
愛着の概念を発見的に用いる四つの民族誌において結果的に浮上する共通の論点は、いまここの経験や事物、出来事でありながら、
そこに参与する人や物、存在の時空間的な「溢れ出し」を可能にし、またそれを制御しようとする社会的はたらきとしての音楽の姿である。
ここでは、緩やかに論点を共有する個別具体的な民族誌群から蒸留されるそうした音楽像を定位しつつ、音楽研究が現代人類学にもたらしうる独自の視座の在処を探りたい。
□タイムテーブル
13:30-13:45
はじめに 佐本英規(筑波大学)
愛着と媒介―いまここから溢れ出ることとしての音楽
13:45-14:15
発表@ 石橋鼓太郎(東京藝術大学)
投壜通信を書き継ぐ―「現代音楽」における作曲家の愛着をめぐって
14:15-14:45
発表A 荒木真歩(神戸大学)
歌の手ざわり―愛着をめぐる感覚・過去・もの性
休憩(15分間)
15:00-15:30
発表B 田井みのり(東京都立大学)
愛着の技術としての音楽―葬儀における「音楽の専門家」の実践に着目して
15:30-16:00
発表C 相田豊(東京大学)
チャラサニの奥様―愛着と人類学的フィールドワークについての考察
16:00-16:15
コメント 吹上裕樹(京都文教大学)
16:15-17:00
質疑応答・全体討論
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